恋愛禁止(ホラー)
あたしがそう答えると、いろはちゃんは驚いたように目を丸くした。


「寮の玄関が閉ってたの?」


「うん。『開けてください』って何度も頼みこんで、やっと開けてもらえたの」


「うそぉ……。ここの寮ってそんなに厳しいの?」


「厳しいのは伊達先生だよ。竜季と2人でめいっぱい走ってきたのに、伊達先生はそんなことちっとも関係ないって感じで……怒られた」


そう言い、また伊達先生の事を思いだして胸の奥がムカムカしてきてしまった。


あたしも竜季も悪気があって遅刻したワケじゃないのに、なんであんなに冷たい態度なんだろう。


「まぁ、寮の先生は生徒の安全を守らなきゃいけないからね」


そう言って、いろはちゃんがあたしの肩をポンッと叩く。
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