恋愛禁止(ホラー)
家から遠いこの学校だけれど、竜季が一緒ならきっと大丈夫だ。


「じゃ、俺は男子寮の方に行くから」


「うん。また明日、入学式でね」


「あぁ。またメールするから」


そう言い、背の高い竜季が軽く手を挙げて道を挟んで隣の男子寮へと入って行く。


あたしはその背中を見送り、女子寮へと向き直った。


さすがに、初めての場所は緊張する。


「ふぅ……」


と、呼吸を整えて入口のドアを開こうと手を伸ばしたその時。


上の方から視線を感じて、あたしはその場所に立ったまま上を見上げた。


丁度女子寮の2階のドアが開いていて、2人の生徒が顔を出して見下ろしているのが目に入った。
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