恋愛禁止(ホラー)
あ……。


見た感じ年上っぽいし、これは挨拶した方がいいのかな?


そう思い軽く会釈をする。


しかし、2人はなんの返事もなくすぐに部屋へと戻ってしまった。


「なによ、挨拶くらいしてくれてもいいのに……」


あたしはムッとしてそう呟き、気を取り直して入口のドアを開けた。


中へ入るとまず左手に病院の受付のような場所があり、そこに寮の先生がいるようだった。


「あの、すみません」


ガラス扉の向こうへと声をかけると、大きな男の先生がノソッと事務所から姿を現した。


ボサボサの髪に、生気のない目。


そして無表情で見下ろしてくるその人に、一瞬固まってしまう。

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