恋愛禁止(ホラー)
だからあの視線が勘違いじゃないとすれば、外から覗いているとしか思えない。


肩までお湯につかっていると、再びあの絡みつくような強い視線を体に感じた。


やっぱり、気のせいなんかじゃない……!


どこから見られているのかわからない、浴槽全体から感じる視線。


あたしはその視線を感じながら、思いきって窓へと手を伸ばした。


全部は開かないが、下が少しだけ開くようになっているタイプの窓だ。


ドキドキする心臓を抑え込むようにゴクリと生唾を飲み込み、そして勢いにまかせてその窓を開いた……。


窓から冷たい風が入ってきて、あたしは一瞬身を震わせた。


「誰かいるの!?」


窓の外へ向かって声をかける。

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