恋愛禁止(ホラー)
バンッと机を叩いて大きな声を出すいろはちゃん。


あたしは思わず口をポカンと開けていろはちゃんを見つめた。


「そんなに興奮して……どうしたの?」


「ご、ごめん……」


いろはちゃんは我に返ったように笑顔を浮かべ、自分の頭をかいた。


「ツムギちゃんと竜季君ってすごくお似合いのカップルって感じで、2人が並んでいる所を見てるといいなぁって思って。


そんな、あたしの憧れの2人が変な噂に流されて元気がなくなっちゃうのが嫌なの!」


一気にそう言い、肩で呼吸をするいろはちゃん。


その表情はすごく真剣で、あたしは胸の奥がジンッと熱くなった。


「いろはちゃん……ありがとう」
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