魔法のハンドクリーム
晩ご飯は麻婆豆腐。



千陽もモリモリ食べる。大翔はまだ帰ってきていない。最近、残業続きで一緒に食事も出来ていない。



土日の休みも趣味に没頭するか、連れて行ってくれたとしても買い物くらい。

千陽だって寂しがってるけれど頑張ってくれているのに趣味を止めさせるのもなんだか気が引けた。



ジャーと水道の水を流して洗い物をする。相変わらず、荒れた手。



寒いからと水じゃなくお湯で洗うからだと原因はわかっているけれど氷水のような冷たい手で洗い物をするなんて過酷なことできない。


母親にはよくゴム手袋をすればいいのと言われるけれどそれもなんだか手間で。結局、自分のカサカサの原因はあたし自身。


夜、遅く大翔が帰ってきた。千陽はもう夢の中。携帯を見ながら、テレビをつけながらろくな会話もせず、食事を済ませてお風呂に入る大翔。



あたしはまたゴム手袋もせず洗い物をする。
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