春のこころ
春のさよなら


何か、ちょっと気まずいかも。

頼んだものが来るのを待ちながら、頭の中で話題を探す。


プレゼント選びにクラスを代表して、学級委員2人が行くことになった。けれども、意見がなかなか合わず、プレゼント選びを一時中断。

ちょっと休憩しようと適当なカフェに入った。学校でもそこまで仲が良いわけじゃなかったのに、こんな場所で何を話せばいいんだろう。


「……今日中に決められるかな」


思ったよりも小さな、呟きのような声が出てきてしまって、もう一度同じ言葉を繰り返す。

目の前の碓氷(うすい)くんは、会話をする気すらもないのか曖昧にうなずいただけだった。


まあ、話す気がないなら無理しなくてもいいかな。さっき碓氷くんが選んだものを変だって言ったから、ちょっとふてくされてるのもあるかもしれない。


転校してしまうひとにあげるんだから、ちゃんとしたものをあげたいと思っただけなのだけど。

見かけによらず子供っぽいんだなあと呆れたとき「あのさ」と碓氷くんが口を開いた。


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