春のこころ
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予定が狂って、プレゼントを渡す役目だった女子が急に帰ってしまって、渡せないままになってしまった。
みんなが片付けをしている間にこっそり耳打ちされたけれど、あまりに学級委員を頼るのには呆れてしまう。
碓氷くんが手伝おうかとありがたいことを言ってくれて、どうしようか迷った末、わたしひとりでプレゼントを渡すことにした。
学級委員2人でいると、せっかくのサプライズがバレてしまうかもしれない。
みんなを先に部屋から出して、わたしと朝奈だけになると、急に静かになった。
「主役なのに手伝わせて……ありがとう。助かる」
忘れ物がないかのチェックを手伝ってもらうという体で朝奈には残ってもらっている。
こういうのってタイミングが大事だよね。今でいいのかな。さっさと渡したほうがいいかな。それとも、
「楽しませてもらったし、これくらいはさせてよ。最後だしさ」
ああ、何か逃した気がする。