春のこころ
春のおどろき
*
あのあとすぐに現像した写真は、勉強机に飾った。数枚撮ってもらったのから、一番みんながよく写っているものを選んで。
写真の中のわたしは、ちゃんと笑顔だった。
今さら、なんだけどバカみたいに思うことがある。告白はしたほうが良かったのかなって。
これでいいと思ったくせに、全然だめだ。碓氷くんは悪くないのに、碓氷くんのせいにしようとさえしてる。
「あ、今鳴ったよー。お姉ちゃん、ちょっと出てー」
「えー、自分が出てよ」
「今手が離せない!」
まったくもう。わたしよりリビングに近い部屋のくせに。
仕方なく部屋を出てリビングへ向かう。宅急便でも来たのかなあと「はい」と短く出た。
「……え?」
宅急便では、なかった。
「ごめん。ちょっと出てくる」
「は~い。いってら~」
ニヤニヤしているのがわかる妹の声を無視して、わたしはエレベーターまで走る。
すでにエレベーターに乗ったのか、2階を示していた。どうしよう、どきどきしてきた。
もうこんなこと、ないと思ってたのに。