桜散る夢 ~愛を誓う~



沖田「つきましたよ~。」


中を覗けば、道場独特のにおいと

数人の隊士の稽古に励む姿が伺える。


土方「誰にすっかな...。」


零「(別に誰でもいいか。

どうせ隊長格まではださねぇだろ。)」


悩む土方を横目に零が思っていると、

思い出したように沖田が動き

稽古中だった一人の隊士を連れてきた。


土方「...平山か。」


沖田が連れてきた隊士は、

出会ったときに

零を縄で縛った男だった。


平山「自分がこの者の相手をすれば

よろしいのですね?」


沖田「うん。君は僕の1番隊の中で

1番の実力を持っているから、

手加減ぐらいできるだろうしね。」


土方「いいだろう。

おい、零。

危ねぇから防具を着けろ。」


弱そうだからとの配慮なのか、

他の隊士にいって

防具を持ってこさせようとしていた。


零「暑いからいらねぇ。

さっさと竹刀をよこせ。」


土方「...。怪我してもしらねぇぞ。」


眉を潜めつつも、

竹刀を渡して下がった。



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