桜散る夢 ~愛を誓う~



土方「っ!!

(あいつの目、言葉...

怪しいんだからしかたねぇだろ。

はぁ、山崎に調べさせるか。)」


土方が考えているうちに、

すでに沖田と零の二人は

竹刀を手に向き合っている。


沖田「君...それでいいの?」


零「あぁ。

さっきも言った通り、

こだわった流派はねぇからな。」


沖田の構えは

天然理心流特有の正眼なのに対して

零は竹刀を片手で肩に預け、

端から見れば舐めたようだ。


隊士たちはざわつくが、

沖田を始め幹部以上の人間は思った。


沖田「(...隙がない...。)」


土方「(あいつ、本当に何者だ?)」


原田「(普通の構えでも隙がねぇのに

あんな構えでも...。

おもしれぇやつ。)」


近藤「二人共、いいな?

では...始め!」


近藤の合図に沖田は動かず、

視線で探りを入れる。


空気がはりつめて、

息苦しさを隊士は感じる。


零「こないのか?」


沖田「(これないって分かってる癖に...)

君から来ればいいんじゃないですか?」


互いに構えを崩さずいい放つ。


零「ふっ、俺からか...。

まっ、いいだろう。

たまには俺からかいってやる...」

零が言葉を発した瞬間、

沖田の視界からその姿を消した。



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