桜散る夢 ~愛を誓う~


零が言い終わった直後、竹刀はすでに

沖田の首筋に紙一重で添えてあった。

あまりの速さに、皆固まり動く様子がない。


零「近藤さん、これでは判定を下せないか?」


近藤「っ...それまでっ!勝者、斎藤 零。」


判定の後に、零は竹刀を下ろした。


藤堂「すっげぇな!いつもは総司に

ボコボコにされちまって圧勝で終わるんだぜ?

なっ、左之さん!」


藤堂は凄いものを見つけた子犬のように、

キラキラとした目で零に駆け寄った。


原田「おっ、おぉ!お前、強ぇな。

いくつから剣をやってるんだ?」


永倉「確かに...師範代並の腕前。

かなりやり込んだか?

はたまた、総司みてぇな天才か。」


軽く質問責めにあい、零は無表情で答えた。


零「...二年前。俺に剣の才能はありません。

ただひたすら...剣を振り続けけただけ...。」


藤堂「にっ、二年〜?!絶対才能あるって!」


原田「どうして剣をやり始めたんだ?」


零「.....兄が、やっていたので。」


永倉「お前、次男坊なのか?」


永倉の言葉に、零はぴくりと顔をしかめる。


< 42 / 44 >

この作品をシェア

pagetop