桜散る夢 ~愛を誓う~
零が言い終わった直後、竹刀はすでに
沖田の首筋に紙一重で添えてあった。
あまりの速さに、皆固まり動く様子がない。
零「近藤さん、これでは判定を下せないか?」
近藤「っ...それまでっ!勝者、斎藤 零。」
判定の後に、零は竹刀を下ろした。
藤堂「すっげぇな!いつもは総司に
ボコボコにされちまって圧勝で終わるんだぜ?
なっ、左之さん!」
藤堂は凄いものを見つけた子犬のように、
キラキラとした目で零に駆け寄った。
原田「おっ、おぉ!お前、強ぇな。
いくつから剣をやってるんだ?」
永倉「確かに...師範代並の腕前。
かなりやり込んだか?
はたまた、総司みてぇな天才か。」
軽く質問責めにあい、零は無表情で答えた。
零「...二年前。俺に剣の才能はありません。
ただひたすら...剣を振り続けけただけ...。」
藤堂「にっ、二年〜?!絶対才能あるって!」
原田「どうして剣をやり始めたんだ?」
零「.....兄が、やっていたので。」
永倉「お前、次男坊なのか?」
永倉の言葉に、零はぴくりと顔をしかめる。