ずっと、好きでいる。
優子の両親に挨拶をし、オレの実家へ。
今日はオレの実家に1泊する予定。
実家に帰ると、オカンが物凄い量の料理を作って待っていた。 オカン、張り切りすぎ。
「いらっしゃい。 藍さん。 優貴くん」
親父とオカンが、ちょっと他所他所しく藍と優貴を迎え入れた。
きっと、親父もオカンも、藍と優貴に負い目に似た何かを感じているのだろう。
子連れの息子と結婚してくれる藍と、ずっと存在すら知らずに苦労をかけたであろう孫に。
両親にそんな思いをさせてしまった事を、心の底から申し訳なく思う。
そんなオレらの様子に、藍と優貴が苦笑いをしながら目を合わせると
「オレ、まじでお腹減ってるのー!! コレ、全部おばあちゃんが作ったのー?? 美味しそう!! 早く食べたい!!」
「ホントだねー。 すっごく美味しそう。 てゆーか、絶対美味しいヤツだよ。 お義母さん、後で作り方教えて下さいね!! お義父さん、洗面所お借りしても宜しいですか?? 優貴と手を洗わせて頂きたいです」
優貴と藍がワザとらしいほどのテンションで、『ワタシたちは全然気にしてません』アピールをし出した。
「モチロンだよ。 手を洗ったら早速食べようか。 お腹減ってるんだろう??」
親父は藍と優貴にそう言うと、『オマエは良い家族を持ったな』とオレに耳打ちをした。
嬉しかった。
親父に認めてもらえた様で。
嬉しくて涙が出そうになった。
そんなオレの隣で、オカンも『本当に良かった』と泣きそうになっていた。
「・・・・・・・・・・・親父、オカン。 色々本当にゴメン。 本当にありがとう」
こんな言葉、今まで恥ずかしくて両親に言った事がなかった。
でも、藍と優貴に出会って変わった。
大事な事は、ちゃんと伝えなきゃって思った。
気持ちを伝えるのは、凄く恥ずかしいけど、その倍以上嬉しいんだって事を、2人が教えてくれたから。