死にたがりの少女をさらった愛することを忘れた狐
1話[嫌われてしまった訳]
また、今日も始まる
毎日同じことの繰り返し
「また来たんだ?本当、めげないね?」
そう鼻で笑われた
下駄箱には私の靴はない
その代わり、大量のゴミが入ってる
典型的ないじめだと
くだらないと思いながらも
私は反論すら出来ない
仕方ないからスリッパを借りて教室へと向かう
私が入った瞬間
それまで騒がしかった教室が静まり返る
「おはよう、いづみ。」
「おはよう」
話しかけて来たのはクラスを纏める委員長
「あなたの席なんてとうに無いよ?」
指を差されたその先に
自分の席はなかった
何も無かった
笑い声が聞こえる
「帰れよ。」
冷ややかな視線
痛いくらいに突き刺さるソレは
もう私の存在を認めてはくれない。
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