死にたがりの少女をさらった愛することを忘れた狐

「ほら、あんたのご飯」

学校ではいじめがエスカレートしていた

お昼ご飯には泥水やゴミをかけられ

体育の時間には更衣室に閉じ込められ

放課後にはあの行為と、トイレの個室で女子たちに平手で殴られる

こんなにされても

なんで学校に来てるのかは

自分でも分からない

本当は来たくない

毎朝吐いてしまうほど

この世界は残酷過ぎる

私の頭はバカになったのだろうか

「いたっ・・・」

女子の長い爪が頬を掠めた

血が出てた

まだこんなにも

私の血は赤かったんだ

もっともっと黒いかと思ってたのにな

声を殺して泣いて泣いて泣き叫んで

確信したことがあった

私はずっと独りってこと

気づかない振りをしただけ

気づいてしまったら

もう私は生きることを諦めてしまうから


2話/完結
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