死にたがりの少女をさらった愛することを忘れた狐
3話[消えてしまおう]
気がついたら
私は病院のベッドの上にいた
「生きてる」
そのことだけが頭をよぎった
どうして
あの時確かに私は落ちた
正確に言うなら
飛び降りた筈なのに_
その日も、学校ではいじめられ、犯され、散々な目にあった
放課後の屋上には私しかいない
なんとなくフェンスを超える
したを見下ろせば
足が竦む程の高さだった
でもなんでだろう
自然と体は傾いている
地面へ
地面へ落ちたいと言ってる
次の瞬間私は落ちていた
ああ、こんなにも呆気ない死に方をするんだなと
地面ってぶつかったら痛いかな
そんなことを考えて意識を手放した
「目が覚めたのね」
目の前には心配そうな顔をする看護婦さんの姿があった
「随分怪我をしてたけれど・・・」
「ごめんなさい、私よく怪我をするんです」
「女の子なんだから、あまり無理はしないようにね」
「は・・い」
本当のことを言ってしまおうか
そうしたら、楽になれるだろうか
この女性は私に優しい言葉をくれる・・?