死にたがりの少女をさらった愛することを忘れた狐

「私の席・・・どこ?」

「さぁ?朝来たら無かったわよ?」

ふいに誰かに背中を蹴られた

「いいから帰れよ疫病神」

気が付いたら、廊下に出ていた

今日は授業を受けれそうにない

「帰ろうかな」

幸い、履いてきた靴は隠されたりしてなかったのでそのまま帰宅することにした

1限目の予鈴がなる

本当は数学の小テストを受けたかったんだけどな

それでも教室にすら入れないんだから仕方ない

誰も頼れない

教師は力になってれるけれど

そうなると、さらにいじめは酷くなる一方だから

何も言えない

誰も助けてくれないから

誰も信じない

私は独りだ、ずっと・・・•


「ただいま」

返ってくる言葉などない

母は私を避けるので食事は別に取る

父は海外へ出張が多く会うことも少ない

テーブルに置かれた数千円。

これが私の1日の食事代。

「今日、何食べようかな」

食べ飽きた出前のメニュー

何も食べたくない

食べないで死ねるのなら本望なのに

それすら出来ない

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