死にたがりの少女をさらった愛することを忘れた狐
私が嫌われてるのは
お父さんのせいだと何度も恨んだ
それでも、たまに電話で話すお父さんの声を聞くと許してしまう
私の本当のお母さんは何処に居るか分からない
何度も探したけれど見つからないと聞いた
目の前にはカッターとハサミ
いつの間にか増えた腕の傷
あの可愛いワンピースなんて着られないほどの傷跡
これは私が無理やり生きていることを示す証
私だって本当は友達が欲しい
お母さんのお弁当が食べたい
家族で旅行に行きたい
友達と買い物やカラオケに行きたい
けれど
それすら叶わないんだもん
神様はなんていじわるをするんだろう
かりに、夢って何?
そう聞かれたら
多分私はこう答える
早く死ぬこと_
1話/完結