死にたがりの少女をさらった愛することを忘れた狐

痛い

下腹部がジンジンする

制服はボロボロで着られそうもなかった

だから体育のジャージを着て帰った

もう学校行きたくない

こんな思いをするくらいなら

生きていくのも嫌だ

どうして

私がなにしたの?

誰かを傷つけた?

蹴落とした?

妬んだ?

ねぇ

なんでこんな目に合わないとならないの?

「いづみ、散々だったけどみたいね?」

あの人が部屋に来た

「さすがはあの女の娘ね、男をたぶらかすなんてお手の物だったかしら?」





え?


「まさか・・・」

「ふふ、楽しかったわよ?あんたの嫌がる顔は特にね」

ああ

あなたの仕業

そんなに私が憎いの?

「・・・・・・てよ」

「は?」

「そんなに私が憎いなら殺してよ」

目の前にカッターがあったからあの人に渡した

「早く、私を殺して。そうすれば貴方は自由でしょ」
< 8 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop