金糸雀達とお茶会を
「…それより恭助…依頼人だ依頼人!依頼人をつれてこい!」
いらいらが頂点に達したのか、少し声を荒げて言う古風な口調の少女。
すると茶色い髪と茶色い瞳を持った青年…恭助…が、少しだけ困ったように苦笑した。
「…無理だよ、だって“あの目”を持ってるの、夕凪と廻サンだけでしょ?」
夕凪(ユウナ)と廻(マワル)さんだけ…その言葉に古風な口調の少女は不足そうに頬を膨らませる。
「…何故、“あの目”は儂と夕凪だけにあるのじゃろう…恭助にも“目”が備わっていたらな…」
はぁ、と溜め息をつく。
その口ぶりから、廻さん、というのはこの少女のことなのだろう。

「いや、“目”はかなり類稀な能力だよ?」
くすり、と小さく微笑む。
「そうじゃのぅ…」
むぅ、とまた少し頬を膨らませる。
「しかし…依頼人はこんのか依頼人は!!」
「…廻サンが直々に探しに行けば?」
「…儂は仮にも店長じゃぞ?そのような真似はできぬ!」
「だったら夕凪が依頼人を連れて来てくれる事を願ってまとうよ。
…夕凪、依頼人探しに行ったんでしょ?」
「まぁ、そうじゃが…」

「だいじょ、うぶ…です、よ…夕凪、は…そういうこ、と…にかんして…は、優秀…で、す…から…」
ふと、違う声がした。
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