幕末~
幸せの終わり









今日ゎ卒業式。
いつもより少しだけ早く起きる。
着慣れた制服に袖を通す。いつものように1階へ行き、お母さんが作ってくれた朝食を3人で食べる。いつもと変わらない朝。



「美咲の制服姿も今日で見納めだなぁ。」

そう言って私を見るお父さん。



「いつの間にこんなに大きくなったんだろうね」

お母さんも私を見つめる。


「そうだ、写真でも撮ろうか!」

「そうだね!カメラ持ってくるね!!」

そう言ってお父さんもお母さんも朝からはしゃいでいた。

私の両親ゎ16の時に私産んでくれた。
まだ、若い両親ゎ子供っぽい。そんな2人が私ゎ大好きだ。


「お母さん」

「ん?なぁに?」

朝食をテーブルに並べるお母さん

「…制服のリボン結んで?」

「あら、最後の最後に甘えん坊さん♡」

私ゎ最後の制服のリボンをどうしてもお母さんに結んで欲しかった。初めてこの制服を着た時にお母さんがリボンを結んでくれたから最後もお母さんに結んで欲しかった。

「よーし、完璧☆もぅ、可愛すぎっ!!」

「ありがと!お母さん!」

最後の制服のリボンを結んでもらった私ゎ鞄を持ち玄関へ向かった。

お父さんとお母さんが玄関まで見送りに来てくれた。

「美咲、今日で最後だぞ!頑張ってこい!お父さん達も後から向うからな!」

「うん!行ってきます」






式が終わり、花道の所でゎお父さんとお母さんが待っていてくれた。

お父さんゎありえないほど泣いていた。
お母さんゎそれをみて笑っていた。


帰り道、お父さんとお母さんに挟まれて歩いていた私ゎ幸せだった。


夕食を食べ終えた後、お父さんがドライブにでも行こうと言いだした。


「忘れ物ないよね?よーし出発!!」



車の中でお父さんゎ私が小さい頃の話や、お母さんとの馴れ初めとかをたくさん話してくれた

「お母さんとゎ中2の時から付き合ってたんだよ、高校生になってお母さんの妊娠がわかったんだ、おじいちゃんに娘さんを僕に下さいって頭をさげに行ったときゎ死ぬかと思ったよ(笑)
でも、高校卒業するって約束でお母さんとの結婚を許してくれてね、美咲が生まれてからも、お父さんだけゎ学校に内緒でずっと通ってたんだよ、卒業してすぐに籍をいれたんだ」


「その時ゎ大変だったのよー」


お父さんもお母さんも楽しそに話してた
私もすごく楽しかったし、嬉しかった。
そうまでして私を産んでくれたことに凄く幸せを感じたし、感謝していた。


でも、私の幸せゎ一瞬にして奪われた。



前から猛スピードで走ってくる車が、私たちの乗っていた車にぶつかった。
お父さんとお母さんゎ必死に私をかばい、守ってくれた。私たちの乗っていた車ゎ、茂みに入ってしまった。

そこへ、一台のパトカーが通りかかった。

私ゎ必死に助けを求めた。
だが、私の声ゎとどかなかった。

さっきの車の運転手ゎ指名手配中の犯人で、警察に追われているらしい。警察官も犯人を目前として、周りの事までゎ目に入らないのだろう
私たちに気づいてもいない。



どうにかケータイに手を伸ばした私ゎ、救急車を呼び、お父さんとお母さんと共に救急車で病院まで搬送された。
でも、助かったのゎ私だけ、お父さんとお母さんゎ私をかばった為に、命を落とした。



私のせいで、お父さんもお母さんも死んだ。




私のせいで、、、、、、。




お父さん、お母さん、どうして私を置いていくの?私も一緒に行きたかった。


お願い、1人にしないで。お父さん、お母さん
お願い私も連れて行って、お父さん、お母さん、、、。
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