★短編集★
《簾次視点》


本当は文昭が何を
考えてるのかなんて
頭では解っていたんだ。

年の差は十三歳で
おまけに、俺は高校生……

あの時に助けてくれたのは
嬉しかったけど、遅かれ早かれ
こうなることは予想していた。

だからな、俺から
さようならしてやるよ。

じゃぁな……

【文昭へ


別れたがってただろう?

だから、別れてやるよ

帰ってくる頃には
俺は居ないけど、
ちゃんと飯食って
風呂入って寝ろよ。

あん時は助けてくれて
ありがとうな。

幸せになれよ?

簾次より】

最後の手紙を残して
俺はキャリーケース一つだけ
持って文昭のマンションを出た。


簾次視点---終
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