恋色マーブル模様~眠れない夜~
夜7時頃。
お店についた私はお店の辺りを見回す。
薄暗くて今時の音楽がお店中に響きわたる。
初めて見る、未知の世界だった。
お店で働く女の子もメイクも濃いめで
髪の毛も明るくて
おしゃれして巻いてたり、
派手で綺麗な女の子がたくさんいた。
服装もドレスだったり露出が高い服装だったり
私にとっては新鮮な風景だった。
「落ち着いた感じの女の子だね。
少しだけ体験してみる?」
話はトントンと進み、早速私もおめかしして
接客の指導をお店の従業員から受けてもらい、
お客さんの前に出ることになった。
ちなみに夜の世界で働く女の子はお客さんの前で
本名を言うわけにはいかないので
夜の世界では「源氏名」をつくるのだ。
私はお店の店長に名前をつけてもらい、
「マドカ」から「リン」になった。
だから夜の世界ではマドカと言う人ではない、
今日からここにいる私はリンと言う人になる。
高校ではあんまり恋愛など興味もなかった私には
なかなか異性と話すことなんてなかった。
だからいきなり初対面の男性と話をするなんて
恥ずかしかったけど他の働いている女の子の
フォローもありなんとか会話することができた。
そしてお店の閉店時間になり、
掃除をして今日の仕事はこれで終了した。
「なかなかやるやん、リンちゃん〜♪
明日から働きなよー!」
店長からお褒めの言葉をもらい
なんだか少しだけ自信がついてきた。
同級生もいるし、給料も居酒屋さんよりか
全然桁が違うものだった。
(私…決めた!明日から
夜の世界で頑張ってみる!)
そう心に誓い、
私は夜の世界の人間となった。
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