【完】籠球ロマンティック
次に、青い磁石をアウトサイドに置き、イツは話を続ける。


「ここを基点にしているのは、5on5でいうシューティングガードだね。3on3でも『シューター』と据え置かれる人で、ハーシーがこの役割」


確かにそうだ。小さな体で走り回り、どんなに疲れてても早いモーションでシュートを放つハーシーは、ストリートでも5on5でも通用する選手。


「ハーシーはそもそも実力高いから、お前達が成長しないと他のチームに引き抜かれちゃうぞ?」


「えーやだぁイツったら、後で美味しいステーキ奢ってあげるしか」


こんなにふざけた奴だけど、イツが言っていることも確かだし、俺達より長く経験を積んでいるハーシーは確かに全体的なポテンシャルが高い。


「ってか、ハーシーって去年トライアウトの最終トーナメントに上がったチームにいたしな?」


「うんまぁねー。ちょっといざこざあって辞めちゃって、その現場見てたリッコに引き抜かれたんだよね」


ってことは、一度高みを経験しているってことか、ハーシーは。
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