【完】籠球ロマンティック
「あー成る程!イツから聞いてた手のかかる可愛い弟分チームの新しい子って、ふぅん?」


「おいこっちゃん、余計なこと言うなし」


琴音店長がイツに俺のことを話してたように、イツも俺達のことを話していたようだ。


まさかお互い同じ奴のことを話していたとはって感じだけど。


「ってか、イツって俺のこと可愛いと思ってんだ。うわ、サブイボ」


「バカふざけんな、可愛いのはリッコだけだし。ラブなんか居酒屋のお通しみたいなもんだし」


「俺高校生だから居酒屋のこと分かんないっプー」


いつも通りのバカみたいなやり取りに、聞いていた琴音店長はクスクスと笑ってる。


笑われた俺達は、二人して険しい顔をしながら琴音店長を見てしまう。


「何すか?」


「いや、若いって良いなぁって思ってね」


そう言って笑うのをなかなか止めない琴音店長も若く見えるけど、一体幾つなんだろう。この人は謎だらけだ。
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