【完】籠球ロマンティック
「あいつらは横浜特攻部隊ってチームで、元はハーシーがいたチームの奴等だ」


「ハーシーの?」


なんかいざこざがあって辞めたってこの間言ってたけど、そのチームのメンバーを今のチームメイトの俺に会わせて大丈夫なのかよ。


「イツさんチューッス!……あれ、君、ちょっと前イツさんとパフォーマンス対決してた」


「スパンキングボーイ!」


わらわらと周りには集まってくる自分より大きい大人達に、俺は戸惑いつつもガックリ肩を落とす。


だって、覚えてるとこ可笑しくないか?寧ろ忘れてて欲しいところである。


今思えば、あのわりと大きなキャパのクラブハウスでとんでもないこと言っちゃったよな。


「いや、はは!あの発言もだけど、度胸と技術も凄かったよな」


「そりゃ、どーも」


あの、普段年下に弄られても全く怒らないハーシーがいざこざを起こす程の連中だと身構えてみれば、意外と悪い奴等でも無さそう。


「さっ、バスケしましょーよ!」


一連の会話を見守っていたヒイロが手をパンパン、と鳴らし、カラコンの入ったバイオレット色の瞳をくるりと小さく震わせた。
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