【完】籠球ロマンティック
俺達のバスケは3月に向けて、形になりつつある。


「おいおい……お前等ホントに高校生かよ。スゴいな」


「でしょでしょ!あ、俺は社会人だけどねぇ」


俺の先輩の先輩にあたる相手の大学生ボーラー達に、ニコニコとハーシーが答えている。


「嘘だろ!俺等と同い年か上なんか、絶対あの銀髪だろ!」


「何をぅ!こちとら23歳社会人だぞぅ!」


ピーピー騒ぐハーシーを横目に瓶ソーダを飲んでいると、リッコが小走りにやって来た。


……えぇ、凝視ですよ。走る度に揺れるその柔らかな双丘は、凝視ですとも。


「どったのレン?顔が怖い」


「あばば何でもねっス!それより、何?」


「あのね、さっきの一連の動きについての改善点なんだけど……」


リッコのたわわな双丘にざわわな俺のハートはとりあえず鎮めて。


最近リッコはこうして試合を外から見て、動きの向上を図る方に徹している。


彼女は日を増すごとに司令塔として磨きをかけ、鋭い鑢のように、俺達の粗さを研磨し、なだらかな平面にしようと努力しているのだ。
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