【完】籠球ロマンティック
練習はおろか、学校すら休んでしまった律子が目覚めたのは、六時間もの時間がたった午後14時。
「寝すぎだし……」
寝すぎて変に疲労してけだるい体を起こしはぁ、とため息を漏らす。
期末テスト前なのに、レンが怒るだろうなぁ。
ふと律子の頭に過ったツーブロックの少年の顔に、憂鬱感と、何故だか顔に笑顔が浮かんだ。
こんな感情も……要らないわ。
込み上げる笑みを頬を叩いて止めた律子は、大きく深呼吸をして肺の空気を入れ換える。
律子にとって、恋夜への感情は特別なものだ。
顔を合わせると一秒ごとに沸き上がるその感情は、初恋よりも甘く、熟年夫婦の愛よりも柔らかい。
律子のそれは、認めざる得ないくらいに、恋愛感情なのだ。