【完】籠球ロマンティック
しかし、同じチームで戦う男に、そんな感情等律子にとっては自分を飾るそれと同様、要らないものでしかない。


だから、恋夜に抱いてしまうその感情を、律子は見ないふりをして誤魔化す。


「最悪……気分悪」


換えた肺の空気が一瞬にして悪くなった気がして、律子の気持ちが憂鬱になって行く。


「外に出よう。うん。籠ってるから嫌な考えばっかりになるのよ!」


ふるふる、と頭を犬のように振るった律子は、クローゼットからお気に入りのワンピースを取り出す。


何もない時だからこそ、普段は練習の為に殆ど着ないお気に入りの洋服を着て、自分の気持ちを明るくしたい。


律子はそう思い、寝巻きのふわふわとしたトップスを脱ぎ去った。
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