【完】籠球ロマンティック
「レン、眼鏡かけるんだ」
「あー、普段はコンタクトなんだけどさ、今日ちょっと調子悪くてね。上手く入んなかったんだよな」
そもそもの見た目が派手な恋夜の赤い眼鏡姿は、いつにも増して派手で、それでいてオシャレであった。
律子はそんな恋夜に目を奪われてしまう自分を、精一杯に押し潰す。
「あんたこそ、私服初めて見た。普段制服かジャージだし」
そう言って律子の頭の先から爪先までを眺めた恋夜は、ニカッと鼻の頭に皺を寄せて笑う。
「良いんじゃん?元が可愛いし、悪くないよ」
これが『女』であることを幸せに思う人間だったら、どれだけ幸せな褒め言葉だっただろうか。
しかし、律子にとっては『可愛い』は苦しい言葉である。
そんなことは露知らず、恋夜はニッコリ笑ったままだ。
「あー、普段はコンタクトなんだけどさ、今日ちょっと調子悪くてね。上手く入んなかったんだよな」
そもそもの見た目が派手な恋夜の赤い眼鏡姿は、いつにも増して派手で、それでいてオシャレであった。
律子はそんな恋夜に目を奪われてしまう自分を、精一杯に押し潰す。
「あんたこそ、私服初めて見た。普段制服かジャージだし」
そう言って律子の頭の先から爪先までを眺めた恋夜は、ニカッと鼻の頭に皺を寄せて笑う。
「良いんじゃん?元が可愛いし、悪くないよ」
これが『女』であることを幸せに思う人間だったら、どれだけ幸せな褒め言葉だっただろうか。
しかし、律子にとっては『可愛い』は苦しい言葉である。
そんなことは露知らず、恋夜はニッコリ笑ったままだ。