【完】籠球ロマンティック
そんな恋夜の顔が見れなくて、律子か唇を噛み締めて俯く。
昨日の一件のせいか、心が不安定になっている律子は、普段は流せる言葉を流すことが出来ない。
「リッコ?」
「……んなに、私」
「え?何だって?」
基本的には棘のあるような声の恋夜の、親しい人間にだけかける優しい声が律子の耳を掠めた。
「レン、そんなに私って『女』っぽい?」
「は……?うん、まぁ、女らしいよ」
何も知らない恋夜の言葉に、律子は唇を噛み締める力を強めた。
そのせいか、口内に広がる、鉄の生臭い味。
外であることさえ気にならない程に頭に血が上った律子は、恋夜の骨張った、自分の滑らかなそれとは違う掌を両手で掴み、そして。
自らの、そのきらびやかな装飾品のひとつである右胸へ、押し付けた。
昨日の一件のせいか、心が不安定になっている律子は、普段は流せる言葉を流すことが出来ない。
「リッコ?」
「……んなに、私」
「え?何だって?」
基本的には棘のあるような声の恋夜の、親しい人間にだけかける優しい声が律子の耳を掠めた。
「レン、そんなに私って『女』っぽい?」
「は……?うん、まぁ、女らしいよ」
何も知らない恋夜の言葉に、律子は唇を噛み締める力を強めた。
そのせいか、口内に広がる、鉄の生臭い味。
外であることさえ気にならない程に頭に血が上った律子は、恋夜の骨張った、自分の滑らかなそれとは違う掌を両手で掴み、そして。
自らの、そのきらびやかな装飾品のひとつである右胸へ、押し付けた。