【完】籠球ロマンティック



それからの論理は、学校に通うこともなく、部屋に籠りっきりになった。


明るく、良く喋り、鈴が鳴るように笑う
論理は影を潜め、残ったのは喋ることも、笑うこともない『間壁論理』の生きた屍だった。


そんな論理に心を痛めたのは家族だけではなく、バスケ部の部員達も同じだった。


毎日論理の家に誰か部員が通うも、その顔を見ることは出来なく、苦しく歯がゆい気持ちになる他無かった。


そんなある日、バスケ部主将が調べて間壁夫妻に提示したのが、今の論理が通う心療内科のことだった。


心療内科の部屋にいる、アルパカのような中年の、今の論理の目の前にいる穏やかな男のおかげで、論理は前のような円滑な喋りとまでは行かなくとも、喋ることを取り戻した。


男は、論理にとって神様なのである。
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