【完】籠球ロマンティック
元の学校から今の単位制高校への編入を勧めたのもこの男。バスケを好きな論理の為にストリートボールの公式リーグの存在を教えたのもこの男だった。


そのおかげで偶然律子と出会い、後に共に戦う仲間となったのだ。


この男に、論理は感謝してもしきれない。


「ただ、僕が知らないのはその派手な見た目のことかなぁ。カッコいいし似合ってるけど、どうしたの?」


男は非社会的である論理のその見た目に対しても肯定的で、柔らかな姿勢を崩さない。


論理はホワイトボードにペンを走らせ、やはり見た目に似合わない可愛らしい丸い文字を書き上げる。


『ますかれいどみらーじゅ』


「マスカレイドミラージュ?……仮面舞踏会、かい?」


平仮名で書く辺り、何とも論理らしいが、論理らしからぬその単語に、男は丸々とした顔を左に傾ける。
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