【完】籠球ロマンティック
「おぉーう、アツい試合してんなぁ」


そんな、ドッキドキの展開の試合のさ中、陣形から外された俺は、何故か右手にけん玉を握っている。


「ラブ!見てないで課題のけん先滑り出来るように練習しろ!」


「ハァン!イツこそ試合に集中しろボケェ!ボケゴジラ!ってか、一回見ただけであんなん出来るかい!」


ツッコミどころが色々満載過ぎて、思わずイライラしてしまう。


俺に課せられたのは、集中力とバランス、それから体幹を鍛える為にけん玉をすること。


イツのコンニャロウはけん玉名人レベルに上手くて、なんか良く分からん技を俺にやれと言い出したのだ。


無茶苦茶だ。いや、これが集中力とバランス、それから体幹を鍛えるっていう理論は分からんでも無いけどさ。


「バッ……スケ、してェェェ!」


「煩いよラブ!」


体育館に来て初めて触れたボールは、イツがブン、と投げつけられたもの。


しかも、それはギャグのように俺の顔面にクリティカルヒットする。


あれよね、ひたすらに『ぷっつーん』と来るやーつね。
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