【完】籠球ロマンティック
そんな俺の背後から、カッと前触れもなく光が照り付ける。


「えっ!コワッ!お化け!?」


「うわぁ!お化けが喋った!……って人間?」


どうやらその光は懐中電灯の光らしく、持っているのは、人間の男のようだ。


「あれぇ?あれれ?君……え、ラブちゃん?」


「へ……?」


しかも、なんたる偶然か、俺を知っている人物らしい。更に『ラブ』というあだ名を知っている者は、だいぶ限られる。


「あ、そっち暗くて分かんないよね。一回一緒に打っただけだし」


そう言って、昔のコントのお化けのように、自分の顔に光を向けた男には、確かに見覚えがあった。


「あんた……」


「ちゃーお!久し振り!」


この男は数ヵ月前、渋谷のジョーダンコートで草試合を共に戦った、イツの後輩のヒイロだ。
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