【完】籠球ロマンティック
「ハーシーは大人だね。そんな大人には、テキーラをショットで与えよう」


「ヒイロちゃんマジか。鬼畜か。俺、お酒強いけど流石に……飲みますけどねっ！」


ヒイロに渡された小さなグラスを見ていつも通りへらへら笑ったハーシーは芸人のように前フリした後、そのグラスを一気にクイっと持ち上げ、液体を喉に通す。


「ほぉぉう、いい飲みっぷり。お兄さん感激ぃ」


「イッツんもやる？」


イツを筆頭に、ハーシーのそのちょっぴりのお酒一気になんだか盛り上がり始める。


大人達のやり取りはあまり良く分からない。たったちょっとのお酒じゃん。何この盛り上がり。


「良くわからん……」


「レンも大人になったら分かるよ……オエッ、喉と胃がジンジン！レモンくれー！」


そして、あの少量のお酒を飲んだ後のハーシーは、何故かレモンを求めてジタバタし始めた。


「ラブが成人したら奢ってやんよ。そのちょっぴりのお酒」


「お……？おう、これくらいなら平気そうだし、有り難く先約しとこうか」


俺の返事に大人達は沸き上がり、居酒屋が爆笑に包まれる。


状況理解出来ないけど……楽しそうだから、まぁいっか。
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