【完】籠球ロマンティック
それから時間が経つにつれ、どんどん酔っ払い達が増えて、それに比例するかのように宴会はワイワイと盛り上がりに拍車をかけている。


お酒が強いというだけあってか、ハーシーは特に何も変わらず、どこか食えない態度でグビグビとお酒を飲んでいる模様。


しかし、反してお酒に弱いらしいイツは顔を真っ赤にし、目もトロンとさせてへらへら笑っている。


「ラブぅー?」


「はいはい何だよベタベタ引っ付くな……っておぉい!?え、怖いから寄るな!」


酔っ払いイツに頬っぺたをホールドされたかと思うと、その酒臭い吐息が近付いてくる。


唇同士が引っ付く寸前、イツの口をバシッと抑えて逃れた俺は、隣のハーシーに助けを求めるように首を捻る。


「た、す、け、て!」


「あー、イッツん酔っ払うとキス魔になるんだ。一回キスさせてあげれば治まるから、唇あげちゃいなよー?」


「やるかボケッ!ってかそれならハーシーあんた代われー!」


こんな風に賑やかに、驚く程に楽しい夜が過ぎていって。


いつかは全く分からないけど、俺は、気付かぬうちに眠りに就いてしまっていた。
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