【完】籠球ロマンティック
「ほい、ラブちゃん!」


そして放って来たものを慌ててキャッチする。


それは、冷蔵庫でキンキンに冷えた瓶ソーダだ。


「あげるよ!エー玉の話聞かせてくれたお礼!いっぱい飲んで、三月の試合優勝しなよー!あー、俺も今度ソーダ飲んだら、エー玉捨てないで取ってみよ」


「お、おう!さんきゅ」


なんて良く出来た男なんだろ。ヒイロは例えバイだったとしても、きっと性別の垣根を越えて、愛されるのだろう。


あ、バイなのはネタだったんだっけ。まぁ、どっちでもいーや。どっちでもヒイロはヒイロだし。


外に出ると、冬の朝らしく、水気が少し凍り、風はピリピリと頬を焦がす。


「さーて、頑張ろっかな」


すぅ、と息を吸ってふぅーっと吐き出せば、白い息はふわぁ、と空間に消えていく。


どう表現すべきか難しいところだけど、わりと気分の良い、そんな朝。
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