【完】籠球ロマンティック
佳那汰って要領良いだけに、必死になることを知らないんだよな。


水面下でいつもじたばたしてる自分が恥ずかしい、なんて思ってると、教室の扉が勢い良く開いた音が耳に、廊下の冷気体にが流れてくる。


「レーン!レンレンレンレンレーン!」


顔を上げずとも分かる、元気いっぱいの俺を呼ぶ声の正体に、俺はあえて顔を上げないでいる。


暫くすると、ばふ、と俺の後頭部に重厚感のあるとてつもない柔らかな何かがのし掛かってきた。


「佳那汰さん、今の俺の状況を簡潔に文書化してくれないだろうか」


「Gカップの掛け布団に頭が埋もれてる。このまま死ねたら男として幸せな人生ですね」


ダァァ、聞かなきゃ良かった。聞いたせいで俺の飼ってるスネイクがオーバドゥ……って、何考えてんだよ!
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