【完】籠球ロマンティック
いつも通り、金石の眠る総合病院にたどり着いた葉月は、この時期のせいか混み合った待ち合いのベンチに腰を下ろす。
ぽっかり時間が空いてしまうと、ついつい口が寂しくなってしまうもので。
思わず口元に持ってきてしまっていた人差し指と中指に、葉月は苦笑してしまう。
はぁ、喫煙者なのバレたら、リッコにどやされるかなぁ。
葉月は体育館の外でタバコを吸っているイツにガミガミと何か言っている律子を思い出し、唇をモゴモゴ、と動かした。
「あれ……ハーシー?」
一人で苦笑し待っている葉月は、声をかけられたことが思いもよらず、思わず肩を震わせる。
慌てて顔を上げると、病院で見るとは思ってもいなかったツーショット。