【完】籠球ロマンティック
そこには、見慣れたツーブロックとアシンメトリーの髪型をそれぞれ携えた、俗に言うイケメン二人組の姿。


「レン、イッツん、どしたの?」


それは、週の半分以上顔を合わせる恋夜と逸人だった。


「俺は右目が痛くてコンタクト入れらんなくて。イツは足の定期検診だっけ?」


「そー。冬場はどうしてか痛むから。……それよりハーシーどうしたの?お前風邪?」


成る程、といつもはしていない眼鏡をかけている恋夜と、あの見せてもらった逸人の傷を思い出し、葉月は一人納得する。


「っておいハーシー、ぼんやりしてないで人の質問には答えろ」


「えっ……?あ、ごめん!俺はお見舞、かな?」


自分の状況をどう説明して良いのか考えたが浮かばなかった葉月は、えへへ、と声を出して笑い、誤魔化してみる。
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