【完】籠球ロマンティック
「スッゴー!ダンクもさながら、そのボール捌き!右足ついてボール取って左足を突く!それ、順序間違ったらトラベリングだよ!大胆!わーお勝負師!」


「なんであんたは点取られて、ンなに嬉しそうなんだよ」


俺のやってのけたボール捌きがえらく気に入ったのか、皇律子はピョンピョン跳ねている。


いや、跳ねる度にミニスカートから覗くその均衡の取れた美脚とか、揺れる乳に思わずくらっと来そうだけど。


……って、俺のバカ!スケベ!見てる場合じゃねぇわ!


「だって!君みたいな上手い人と1on1出来るなんて、楽しいじゃん!君は楽しくない?」


そう皇律子に聞かれ、俺は考える。


体育の時は、バスケ部連中相手に糞つまんないと思った。こんなつまんない時間、早く終わればいいと。


でも、女のくせにワンハンドでスリー決めてのけて、俺相手にも遅れを取らない瞬発力、脚力を持つ『皇律子』というプレイヤーに対峙して俺は、俺は。


久しぶりに、心から『楽しい』と感じていた。
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