【完】籠球ロマンティック
「ダーチクショ、寒いなコンニャロ!」


「恋夜おじさん臭い。そんなに寒いならりっちゃんに温めて貰いなよ」


佳那汰がお澄まし顔でさらっと問題発言をするもんだから、バシっと背中を叩く。


「佳那汰、最近彼女出来たからってチョーシ乗んなよ!」


「えー、それとこれとは別でしょ。なんで恋夜にしても、りっちゃんにしても、今の距離保つかなぁ」


最近リッコの友達にちゃっかり手を出したらしい佳那汰は、リア充の余裕をプンプンと匂わせて来る。


「つーか、順序違ったよな、佳那汰の場合」


「んー、良くない?結果付き合ってるし。先に体の相性確かめれたし一石二鳥じゃん」


爽やかで、一見そういうことに関心無さそうな佳那汰だが、実際は俺より盛った猿だ。


「こちとら夏に彼女と別れてからご無沙汰だっつーのにムッカツクわぁ」


「だーかーら、りっちゃんと一発しちゃいなよ!」


こんな猿みたいな奴に勉強で一度も勝てたことがないのが、なんだかとてつもなく恥ずかしい。


何なんだ、佳那汰、男として人生謳歌し過ぎだろ。
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