【完】籠球ロマンティック
177センチの俺と、俺とほぼ変わらない身長の佳那汰。


バスケをするには小さいけれど、よくよく考えれば確かに、平均よりはでかいし、150センチ代のリッコからすれば迫る壁かもしれない。


すっとぼけて見せた張本人の佳那汰は、気にすることなく彼女と話し始めた。


それを横目でチラリと確認し、改めてリッコと向かい合う。


「今日雪降ってるけど、どーすんの?」


「ん?ああ、大丈夫よ!その辺は朝ハーシーとやり取りして、近くの体育館手配してあるから」


……抜け目ない。流石スネイク・オーバドゥの司令塔。


「ありがてぇ。あんた、その頭の良さ、勉強にも活かせないかね」


「えへー、活かせないので、来月のテストも勉強見てくださーい!」


バスケの戦術やスケジュール管理より、勉強の方がよっぽど簡単な筈なのに、どうして出来ないんだ。


これを皇律子の七不思議のひとつとしよう。うん、そうしよう。
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