【完】籠球ロマンティック
授業が終わり、放課後。
佳那汰と別れ、俺、リッコ、マカロンの三人は、リッコが予め予約を入れてくれていた近くの体育館へ移動する。
「ふぁー、雪、積もってるね」
「マジだ。うわー、困るわ。俺ん家、アパート出てすぐ下り坂なんだよ。拷問だろ」
雪は嫌いだ。そりゃ、小学校の頃とかは雪遊びが楽しい時期もあったが、今は寒いし冷たいし、交通機関鈍るから嫌になるばかり。
「おーいマカロン、あんた何してんだ?」
「見て、かわ、いー?」
先をスタスタ歩いていた俺とリッコは、大きな体でしゃがんでいるマカロンに気付き、立ち止まる。
しゃがんでいたマカロンの手には、野球ボール二つ分程の、小さな雪だるまが乗っかっていた。
「あらー、可愛いわ!真ん丸!バランスも絶妙だし、マカロン器用ね」
そんなマカロンの子供みたいなところに呆れることなく付き合うリッコは、その雪だるまを写メり始めた。
まるで幼稚園児と先生だ。こんな光景が可愛いと思えてしまう俺は、最近コイツらに毒されているに違いない。