【完】籠球ロマンティック
「えーっ!?どういうことよ!その予約入れたの、私達よ!?」


そんなやり取りをしていた俺達は、背後から聞こえるリッコのすっとんきょうな声に素早く振り返る。


「……なんだあいつ等、なんで受付のおっちゃんとやり合ってんだ?」


視線の先には、台帳を握る受付のおっちゃんと、何やら抗議するリッコ、それから困り顔のハーシーの姿。


「とりあえず、行く?」


「おう。そうしてみっか」


何となくただ事じゃないその雰囲気に、俺達も頭にハテナマークを浮かべたまま、二人の元へ駆け寄る。


「だーかーら!この時間『二ノ瀬』で予約入れたの私達なんだってば!おじさんほら、これ見てよ」


「ホントだねぇ……二ノ瀬さん。うん、確かに。じゃあ、あの子達はなんだろうねぇ」


近寄ると、リッコが物凄い剣幕で受付のおっちゃんに詰め寄り、多分、ハーシーの運転免許証を突き付けている。


「何これ、どーなってんの?」


「どうもこうも俺達の予約名で三人、もう来ててフロア使ってるらしいんだよ」


いやぁ困った困った、とあまり困った風には見えない顔でハーシーがやれやれ、と肩を竦める。
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