【完】籠球ロマンティック
受付のおっちゃんはのんびりした様子で、イライラしたリッコに向けてニッコリ笑う。


「はて、使うお友達が増えたのかな?予約の二ノ瀬さんかいって聞いたら、そうだと答えたんだよ」


「そんなわけ無いでしょ!……レン、マカロン、ハーシー!突撃よ!今すぐ偽物の二ノ瀬一行をシメ上げるのよ!」


気が立っている。いつもの『あはは』と笑って飲み込むリッコがカリカリしてるのは珍しい。


「シメ上げるのは物騒だけど、ウソつきちゃんは良くないね。とりあえず、中に入ってみようか?」


「だな。ってか、リッコキレキレだな。どーした、生理か」


リッコに比べてのほほんとした俺達は、状況把握の為に冷静に中へ繋がる扉へ向かうことに。


「こちとら朝からちゃんと計画立ててやってんのよ、適当に練習場奪われるのはたまったもんじゃないわ!」


どうやら、リッコはこういうマナーに関しては結構きっちりしてないと嫌らしい。


「まぁ、マナー違反ってのは共感。いただけねーわな」


俺がボソッと返事をしたその先に、一番図体のデカイマカロンが立ち、中へ繋がる扉を開く。


「たーのもー」


何とも威圧感の無い、マカロンの柔らかな低音の声が、扉を開いた先のフロアにフワッと響いた。
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