【完】籠球ロマンティック
俺達が使う筈のフロアには、三人の男女の姿がある。


一番手前にいるのは、後ろ姿の線の細さとシュシュで結った長い黒髪からして、女。


そして、ハーフコートを使い男二人が1on1を行っているよう。


女のジャージの背中には『KENZATO B・ B・ C』 のロゴが入っている。


「けん、ざと……剣里!都内でも有数のバスケの名門校じゃん!」


剣里高校……確か、俺の中学の頃のチームメイトもこの高校に特待で言ってた筈。


都内有数のバスケの名門校であり、都内外から優秀な選手を引き抜いていて、俺も特待の声がかかって練習の見学に行ったことがある。


「ふーん、名門校様なら、マナー違反してもいいって訳?いけ好かないわ」


「まぁまぁ落ち着いて。レン、俺達で彼等に事情聴取しようか。リッコキレキレだし、マカロンはこれだし」


苦笑混じりにそう言ったマカロンに、俺も頷いて同意を示し、とりあえず、手前に立っている女の元へ足を運ぶ。
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