【完】籠球ロマンティック
「おいリッコ、このお姉さんと知り合いなのか?」


あまり女の戦いに首を突っ込みたくはなかったが、そうもいかないからリッコの肩に手を置く。


その、男の骨格とは違う肩は、触れると小刻みに震えていた。


俺の方を見たリッコは、強がっているけれど少しだけ涙目になっていて。


「私の……中学校の時の、部員」


言葉足らずなリッコの返答だったけど、成る程、納得。


この女、中学時代リッコをバスケ部から追いやった部員の一人ってことか。


「おーい美鶴、何絡まれてんの?」


沈黙が流れ始めた中、今度は、コートの中で1on1をしていた男二人が、こちらへ歩いてくる。


「あんたら何?悪いけどコート先に使ってたの、俺達なんだけど」


「先に、予約、こっちがしてる」


自分等の仲間を守るためにやって来たであろう男達に応戦するのは、ポッキー片手に全く威圧感の無いマカロン。
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