【完】籠球ロマンティック
……まぁ、威圧感を感じないのは、俺がマカロンに慣れているからであって。


190センチを越えた長身に加え、短髪に切られた銀髪、片方の眉毛にわっかのピアスが二つ着いたマカロンに、相手はみるみる青ざめて後ずさる。


「あ、ごめんね怖がらせて。あのね、このコート、俺達が二時間予約入れてた筈なのに、なんで使ってるのかなーって」


その様子に気付いたハーシーが、彼等に分かるように、温厚な笑顔で対応した。


男二人は顔を見合せ、そして、片方が女に話しかける。


「美鶴、どういうこと?ここ、使って良いんじゃなかったの?」


「……だって、受付に行ったら『予約の二ノ瀬さんですか、どうぞ』って通されたんだもの」


今の会話で何となくだけど、現状が把握出来た。


つまり、あのちょっとボケた受付のおっちゃんが、確認も取らずに俺等だと勘違いし、それに女が便乗した。女に任せっきりのこの二人は、わざと使ってたわけじゃないってことだ。


「貴方が悪いんじゃないの美鶴!ホント、昔から顔ばかりか性格も悪いのね!」


「はぁ!?時間通りに来なかったから勘違いされるのよ!それに、別に顔は悪くないわよ!」


あー、ありゃりゃ。また女の戦いが始まった。
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